福祉体感ツアー2018 第5回「WANA関西 マルヒア」

2018年9月21日 7:00 PM – 9:00 PM
2018-09-21T19:00:00+09:00
2018-09-21T21:00:00+09:00
WANA関西 マルヒア
大阪市中央区大手通3-3-6本町橋ビル2F
無料
OSAKA福祉オープンキャンパス事務局
06-6776-7336
体感ツアー

福祉体感ツアーで本気のプロに、出会おう

ゲンバで働く先輩たちは、どんな想いで障がいのある方に接しているんだろう?そんなクエスチョンの答えを直接聞ける、プロに出会える、8回限定のゲンバ見学ツアーが開催されます!

今年5回目の訪問先は、自立訓練(生活訓練)を行う『一般社団法人 WANA 関西 マルヒア』さんです。

”(マルヒア):Maluhia”とは、ハワイ語で「平和・静寂」という意味だそうです。

・「心の平和は全ての基本である」をモットーに 2015 年から福祉事業を開始されています。

・「自分で自分を助ける/支援者はそれを手助けする協力者」セルプヘルプの本質を体感します。

当日は、福祉サービスとしての「自立訓練」を理解しつつ、独自の「心理的支援プログラム」や「SEP(自尊感情回復プログラム)」の詳細紹介など、支援力向上に役立つお話をいただきます。

下記は、おおまかな当日のスケジュール(予定)です。

18:50
受付開始(2階までお越しください)
19:00
【基本講義】 マルヒア 中澤良子氏(サービス管理責任者:キャリアコン サルタント)
20:00
【サブ・スクリプト】現場スタッフから「支援という現場⇒実感・真実・工夫」を聞いてみよう
20:30
全体 Q&A
21:00
終了メド
※ ホームページは http://www.wana.gr.jp/maluhia/index.html 事前に一度お目通しください。 ご参加の場合は必ず電話にてご一報くださいますようお願い申し上げます。 周辺地図

ツアーレポート

開催風景

第5回学生向け福祉体感ツアー(inマルヒア)開催シーン まとめ

日 時:平成30年9月21日(金) 午後7時~9時

場 所:一社)WANA 関西 マルヒア(自立訓練)

参加者:大阪医療技術学園専、大阪保健福祉専、大阪バイオメディカル専、(参加30名) ○基本講演 ⇒ 施設内見学 ⇒ 事業所スタッフによる「勤務感」のご披露 ⇒ 質問

・前回(第4回)に引き続き、夜間(午後7時から9時ごろまで)開催となりました。

・開講前の事業所玄関(入口)ですが、辺りはもう既に真っ暗です。

マイドーム大阪の筋を西に1つ入ったところに事業所がありました。

<提供される日中プログラムなど:例) ※マルヒア HP より引用

・職業訓練・・・パソコン・ドリルなどの教材を活用した個別の職業訓練

・作業訓練・・・事務作業の練習。ハンコ押し、ホッチキス止め、封入作業など

・ビジネスマナー・・・職場の基礎から応用まで(新卒クラスあります)

・SST・・・グループによる社会的技能訓練で問題解決能力を高める

・LST・・・ライフスキルトレーニングは知的障がいのある方への基礎学習

・当事者研究・・・1年間かけて自己理解・自己課題を深める社会研究

・生活学習・・・日常生活を学ぶ。衣類や住居に関わることから食育まで

・料理・・・旬の食材を使って、和食から世界の料理までを美味しく美しく創る

・エクササイズ・・・インストラクターが指導。各自ヨガマットでストレッチや呼吸法を

・クラフト・・・ぬり絵、きり絵、手芸に棚づくりなど、楽しくクリエイティブな時間

*心理的支援は各自の必要に応じて提供されます

・自立訓練事業の中でも「生活訓練事業」を単独事業(移行やその他のサービスと多機能で提供していない)で行う事業所は、それほど多くはありません。

・将来的な自立の展望を、「自分自身の考え方をもう少し整理」したり、「自信などを取り戻す試み」などを経験してから、就業等を行っていくための支援を展開しておられます。

〇基本講義及びスタッフの皆さんのお話など ・真ん中で「配布資料等」のご説明をしている中澤さんとスタッフの皆さん ・ご用意いただいた「約30席」がほぼ満席です。

<当日アンケートのまとめ>

○参加者から、①中澤さんのお話を聞いて(感想・意見)、②講義をお聞きする前と後では、来る前にしていたイメージに変化などはありましたか、の2点についてご提出をいただきました(以下)。 1 「中澤さんのお話を聞いて(感想・意見)」

・自立訓練事業制度というよりは、その前にあるべき意義について復習ができた。

・近年お聞きしたどのセミナーよりも、就業支援制度のお話が分かりやすかった。

・とても魅力的なマルヒアのみなさんでした。

・授業を自分の学校でもやってほしい。

・もっと具体的なお話が聞きたくなった。SEP の講義にも参加してみたい。

・学校の授業だけでは感じ取れない「現場の支援者」の支援感覚を勉強できた。

2 講義をお聞きする前と後では、そのイメージに変化はありましたか?

・(現職者:講義をお聞きして)実際に支援をさせていただいている方々のお顔が浮かんだ。彼らのほとんどが自分を卑下している。心理支援の大切さを痛感した。

・自立訓練事業の世間での認知度があまり高くないことを知った。

・自分で納得のいく就業(雇用)までの中間地点なのだと理解できた。

・お聞きした SEP プログラムなどが世間に広まるためには、まず私たちがこれを知らなければならないと感じた。

・(現職者:講義をお聞きして)自立訓練はもっと暗いイメージでした。伺うと全く違っていました(明るく、キラキラしています)。自身転職活動中です。皆さんのように笑顔で仕事を語れるようになりたいです。

・(女性学生)福祉はジャージ×すっぴんのイメージが完全に変わりました。

・準備に徹して行われている感が伝わってきました。繋ぐという視点を強調されていたことも新鮮でした。

・職員の皆さんの「やりがい」が伝わってきて、こちらも楽しくなる時間でした。自立訓練については、自分はあまり理解できていませんが、ただ、こちらのスタッフの皆さんは「障がいの方への支援」が本当に好きなんだと分かった。

・とても明るい内装に驚きましたが、施設の暗いイメージを払しょくしているという説明に納得しました。

・心理支援がとても重要だとおっしゃる考え方にとても共鳴しました。

・最後の頃におっしゃった「タコ糸が切れないように」はとても共感した。

・きれいにしていることも趣旨の一部であると聞き、大切なことを感じました。

・私にとって、福祉とは“人との繋がり”です。

3 ご質問など (回答は、別紙を参照ください)

Q 利用者の女性の方が多いのはどうしてでしょうか?また、利用者がお越しになる経由先にはどのようなところが多いのでしょうか?

Q 普通の(一般的な)認知行動療法と、SEPの違いは何でしょうか?自尊感情に焦点を当てているという点でしょうか?

(単なるポジティブ・トレーニングでは根本的な認知改善は難しいように思うのですが、長期的なカウンセリングか何かによって、徐々に改善を目指しているということでし ょうか?)

Q「来所等された方」を全て支援していくには、どのようなコツなどが必要でしょうか。

(編集後記)

夜間講義は本年度これで2回目の開催となった。夜間開催のメリットがあることも含め、そうなると事業所利用者はいないところでの講義形式になることも充分わかっていながら...今回も学生の皆さんはやってくるのだろうか?と少々不安でもありました。結果、満席状態となっています。

そこに出向いて、そこの方の「講義」をできる限り真摯に聞く。これは「学びの基本姿勢」でもあると思っていますが、途中、休憩や施設内見学等があったにせよ、やはり事業所訪問で大切なのは、「そこで業務を行っている方」が大切にされていることを“真剣に聞く”ことなんだと痛感しました。どれだけの想いで日々の支援活動を行っているかは、やはりお伺いしてお聞きするというスタイル以上のものはないと改めて確信した次第です。

自分が自分らしくあるためには、一度、自分と向き合って整理を試みる、そこに介在する支援者は「当事者」を傍らで導く伴走者なんだと思い、その役割の大きさに出会えた今回でした。美しき女神スタッフの切れ目ないお話に大きな感銘と示唆をいただきました。ありがとうございました。

大阪市就ポツ 前野

◎ 学生体感ツアー ご質問への回答

Q1. 利用者に女性が多いのは?経由先は?

A もともとWANA関西はNPO法人時代より女性の自立支援を行ってきました。そのことから男女共同参画センターや母子自立支援機関からのご紹介も多いためかと思われます。基本的には各自治体の障害者相談基幹センターや、就労移行支援事業所からの紹介で来られています。

Q2. 一般的な認知行動療法(CBT)と SEPの違いは?

A SEPは、認知行動療法のひとつの手法である、認知再構成法をベースにしています。区別のポイントとしては、4つあります。

1.期間 医療分野で行われるCBTよりも短期間(隔週 90分×5回)で行います。

2.内容(回答2種)

①CBTよりもやや認知の修正に重きを置いている

⇒ある程度の年齢になると、行動療法的に「こういう場面ではこうするものだ」と言われても、納得しないままこれまでの行動を変えたり、新しい行動を習慣化することはできないからです。また、これまで腹を立てていたような場面で今日から突然怒らないようにするということも難しいと思います。なぜなら、その感情や行動の前には必ず認知があるからです。そのため、SEPでは認知の修正に重きを置いています。

②自尊感情に焦点化している

⇒説明会の際にご説明したように、様々な対人場面で困難および生きづらさの大きな要因として自尊感情の低さがあると考えているので、単に認知の修正の方法を身につけるだけでなく、プログラム前半の心理学習の中で、「自分の生きづらさは自分のせいではなかった」ということを理解します。これがプログラムへの意欲向上につながります。自尊感情が回復するのに伴い、抑うつ気分や無気力感の改善もできることが研究結果で分かっています。

3.習慣化のしくみ

⇒一般的な認知行動療法(CBT)にはそのような考え方を習慣化するようなしくみが含まれていません。そのため状況が変わると適応が難しかったり、一旦気分はマシになるが、少し経つとまた否定的な考え方が湧き上がってくるということがよくあります。SEPでは、「自分をラクにする考え方」が実生活の中で習慣化できる方法が組み込まれているので、プログラム終了後も効果を維持することができます。

Q3. 来所された方を全て支援していくコツは?

A 「訓練生全員を支援するには」ととらえてよいのでしょうか?

⇒“であれば”、スタッフ全員で訓練生の細かい情報をシェアしておくことだと思いま す。Maluhiaのスタッフは朝、昼休み、夕方と一日に3回は情報共有をしており、声かけの内容など支援の方向性を統一するようにしています。Maluhiaスタッフの仕事はミーティングに始まりミーティングに終わり、スタッフ間のコミュニケーションが命といっても過言ではないかもしれません(笑)

ご回答:自立訓練(生活訓練)Maluhia